コラム

社会人の台湾留学体験記6 中国語の千本ノック!?意外にハードな授業内容

社会人として経験を積んだ後、台湾と出会い、中国語を学び始めとうとう留学を決めたYoshikoさん。

今回は留学中の中心となる語学センターの授業がどのようなものだったかを教えていただきます。

教科書に沿って学習するだけではなく、自身で考え作り上げる課題も多いようですよ。

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こんにちは。今回は留学生活のメインともいえる「授業」についてご紹介させていただきます。

登録とオリエンテーションを経て、いよいよ授業初日。

師範大学は選択肢が多いので、迷った末にレギュラークラスA(少人数・1日約2時間の授業)の朝いちばん早い時間帯(8:10~)の授業を選択。私にとってはこれが正解でした。

 

早起きはちょっと大変でも、朝一番に授業を終えれば一日の時間が有効に使えるのが朝のクラス受講の大きな利点でした。

大学生利用校舎(授業後、大学内を探索。旧制台北高等学校時代からあるという建物)

先生も学生も多彩な中国語クラス

気になるクラスメイトたちの出身は

師範大学は日本人が多い学校と聞いていたのですが、4学期通ったうちの3学期間は、私のクラスの日本人は自分以外にもう一人。
最終学期は日本人はわたしひとりでした。

もしかすると、クラスや時間帯によるのかもしれませんが…思ったほどは日本人と同じクラスということはなかったです。

(※台湾の語学学校は一学期が3カ月間で、学期毎に先生もクラスメートも変わります)

4学期通して一緒に勉強したのは、ベトナム、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、アメリカ、カナダ、スウェーデン、イギリス、デンマークなど、色々な国から集まった素敵なクラスメイトたち。

朝からちゃんと学校に来るだけあってか、みんな真面目で優しい子たちでした。

千差万別の良さ

先生もいろんなタイプの方がいらっしゃいました。

若々しくノリが良く、ネットを上手に使った授業や課題を出される先生。

台湾の生活事情についても色々お話してくれる優しいお母さん的な先生。

毎日課題がモリモリだけれど、とても面倒見が良く指導熱心な先生。

トーク力抜群で毎日学生にいろんな質問をするベテラン先生。

学期末にクラスが解散するたびに寂しかったのですが、1人の先生に固定せず何人かの先生に教わることができたこと、毎回違うクラスメイトの話す中国語に耳を慣らすことができたので(日本人でもそうですが、同じ言語でも話し方は千差万別)、様々な教え方と話し方に触れられる良いシステムだったと思います。

クラス替えがある中でも、一年間ずっと同じクラスだった子もいて、最後の授業の日はお別れが悲しかったです。

クラスチェンジ制度あり

新しい学期が始まった後、もしも授業のレベルやクラスの雰囲気、先生などが自分に合わないと感じた場合は、クラスチェンジという制度を利用できます。

クラスチェンジは新学期の授業が始まってから一週間以内に、一度だけ行うことができます(入学時のオリエンテーションで説明があるのでしっかり聞いておきましょう)。

実は私も一度だけクラスチェンジ制度を利用しました。

最初に割り振られたクラスは、先生のお人柄は決して悪くなかったのですが、発言を学生の積極性にゆだねる授業方式でした。
私の場合は他の学生さんに押されて、発言の機会を逃す恐れがあると感じクラスを変更することにしたのです。
クラス変更申請書(申請表。学生がクラス変更希望するケース、先生が変更を促すケース、双方あるようです。)

例えば、前学期に同じクラスだった子からその子のクラスの情報を聞くなどして、良さそうならそちらに移るのも全然ありだと思います。

同じ学費を払って3カ月授業を受けるのですから、よりよい学びのためにも、「動くべき時に動かなければ勿体ない」ということを留学を通して学ぶことができました。

中国語の授業内容も多彩!

課題もたっぷり中国語

授業中は中国語以外使用禁止。なんとかして中国語を使わなければいけない環境で、良い刺激になりました。
(※どうしても補足が必要な場合は英語を使用することもありますが、基本的に授業の説明はすべて中国語です)

授業形態は先生によって様々で、教科書の内容の読み書き以外にも下記のような形式がとられました。

・与えられたテーマについてひとり2~3分くらいの中国語スピーチ

・2人1組になり、自分たちが会社を立ち上げると仮定し、どんな商品を売るかイラストとトークで宣伝する

・PowerPointで資料を作ってプレゼンテーション

・教科書の内容に沿う形で、「あなたの国ではどうなのか?」といきなり質問される(これが一番苦手でしたが、会話力のトレーニングにはなったと思います)
授業の課題 会社(会社を作ってどんな商品を売るかというお題に対して↑)

YOSHIKOさんプレゼン資料(パワーポイントで、さらに中国語でプレゼン資料作成)

そのほかにもいろいろなお題があって、今思い出しても、多岐にわたるものでした。

自分の国の事情について説明…例えばしきたりや、いろんな物価の相場など、話題によっては社会人経験が有ることが役に立つこともありました。

受け身で聞くだけの授業ではなく、自分で調べたり考えたりして、それを発信する機会も多かったです。

補習が必須!のレギュラーコース

レギュラークラスの学生は授業が1日約2時間。
実はこれだけではビザをもらうための所定時間に満たないので、「言語補助授業」にも出席しなくてはなりません。

補助授業の予定イメージ

(補助授業時間割表)

言語補助授業は様々な授業の中から選択できるのですが、そのうちの一つに発音練習のクラスがありました。

発音練習の授業は日本人の留学生に強く受講をおススメします。

日本語は中国語に比べて母音が少ない言語です。さらに抑揚を大きくつけて話す習慣があまりない日本人にとって、中国語の発音はやっぱり難しい。

早い段階で正しい発音を教わっておくのは留学生活において、とてもプラスになると思います。

発音クラス

(発音クラス 四声(音の上げ下げ)を間違うとパンダって言ってるつもりが胸毛になるよと教えています)

発音のクラス以外では、わたしの場合は会話練習(日常でよくあるシチュエーションに使える単語やフレーズ)の授業にもよく出ていました。

通常授業や補助授業と異なり、有料になりますが、師範大学語学センターには文化クラスと題して料理や太極拳、絵画やお琴などの授業もありました。今思えばこちらも出てみたら良かったなあ。

 

授業の終わりは復習と予習の始まり

社会人は慣れるまでがちょっと大変?

授業のあとは宿題や復習、次の日の授業の予習など毎日最低2時間くらいは勉強していました。

学内には様々な年齢層の学生さんが居ましたが、私は自分のクラスでは常に最年長。

さすがに現役大学生の頃にくらべると体力や覚えるスピードもちょっとゆっくり。
最初は時間をかけて取り組んで、勉強に慣れていき、自分にとって効率のいい勉強方法を見つけることでなんとか授業についていきました。

教科書が進むごとに当然覚えるべき単語の量は増え、文章も長くなり、宿題も難しくなります。

みんな最初は苦労しながらも、同じように徐々に鍛えられていくのでしょうね。

クラスメイトのアドバイスは「音読」

わたしの場合、学生のころの語学学習といえば(中学校~大学:英語/大学ではドイツ語も受講)教科書や資料の文章を黙読して書くという勉強法がほとんどでした。

留学中、ある日ベトナム人のクラスメートと図書室で一緒に自習していた時に勉強法について情報交換。
その子は「私は家で音読もよくやってるよ。」と教えてくれました。

日本人は漢字の文化があるからか、語学センターの日本人も書き取りが比較的得意な人が多かったように思います。

他の国の学生さんは書き取りは少し大変そうでしたが、その代わりに、聞き取りと話す事が得意な人が多い印象がありました。

…確かに、話せるようになりたくて留学しているのだから、言葉を声に出す音読も大事ですね。

目と耳だけでなく、口もこの言語に慣らさなくてはと、その日以来家では教科書の音声データをリピートしたり、その後出るようになったスピーチやプレゼンテーションの課題は必ず家で声に出して読むようにしていました。

授業で得た中国語以外の大切な時間

クラスメートたちと集合写真

世代や生まれ育った国もそれぞれなら、勉強の方法もそれぞれ。

中国語学習という共通の目標をもって世界各国から集まったクラスメイトと、一つの言語でやりとりして時々冗談をいって笑いあう時間。

中国語以外にもつい何年前の自分からは想像もつかなかった体験をここでさせてもらいました。

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Akushu
様々な経験と価値観を持つクラスメイトたちと学びあいができるのも留学の素敵な経験ですよね。
十数年前と比べると、発表が多くあったり、パワーポイントで資料を作成するなど、学生の主体性が求められることが増えてきたように感じます。その分得るものも多そうですね。

次回以降もどうぞご期待ください。

 

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