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コラム

日台音楽カルチャー花開記 ~寺尾ブッタが語る台湾ミュージックシーン vol1 立ち上げDIY編(下)

東京・青山そして台湾・台北にてライヴハウス・月見ル君想フを運営し、日中台間のライヴの企画・サポートを行う傍ら、音楽レーベル『BIG ROMANTIC RECORDS』を運営し積極的にアジアの音楽・文化情報を発信する寺尾ブッタさん。

そんな寺尾さんに、自身が台湾の音楽シーンに関わるようになってから、日台の交流がどのように進んできたか今日までの紆余曲折を大いに語っていただきます。
第1回目は台湾と関わるようになったきっかけとキーパーソン洪申豪(ホンシェンハオ)について。後編スタート。(前編

台湾インディーシーンと洪申豪の問題意識

当時の洪申豪(ホンシェンハオ)は議論が熱くなると「台湾音楽業界の現状」への批判が止まらなくなりました。

まだ黎明期とも言えた当時の台湾のインディーシーンにおいて、いち早く日本を含む海外のインディーシーンとの交流があった彼は、自国のインディーズカルチャーの歴史が浅く、成熟していないことや、ライブハウスを取り巻く環境やバンド活動する環境に対して不満があり、それを自分たちが改善すべき問題だと意識していた数少ない人でした。

時には空気に流されず現状に異を唱えることで業界内にアンチを生み出したりしましたが、確かに当時の台湾のインディーズシーンは、対外的な自信の無さ故なのか自虐的な態度や内輪のノリがやや強かったように感じます。

そして彼や彼の周りにいた人たちは自身の活動を通じてその雰囲気に抗い、払拭していった、そんな様に思います。

日本のファンは彼の曲はもちろんですが、そんな彼たちを中心に息づく、台湾に生まれたオルタナティブなカルチャーごと共感し受け入れていました。

それこそが日本で台湾カルチャーが注目されるきっかけとなりましたし、大げさかも知れませんがその流れが発展して、そのまま現在の日本での台湾カルチャーの盛り上がり、そして対外的な自信に結びついている様な気がします。

もしかしたら自分も彼も台湾の歴史の大きな流れの中でたまたまそういう流れの中にいただけなのかもしれませんが、少なくとも台湾のインディー音楽シーンに関しては、洪申豪こそが内外に多大な影響をもたらした重要人物であると言えるでしょう。

台湾で彼をリスペクトする新しいバンドも今だに後を断たず登場していますし、その影響は計り知れないです。

(洪申豪,ソロ作品「真夜中のブルース」日本語歌詞)

ちなみにこれらの出来事はよく語られる「台湾政府がインディーズ音楽に対して助成金を充実させていった」という流れと時期は重なりますが、透明雑誌や洪申豪の日本での活躍とは基本的にあまり関係はないということはハッキリさせておきましょう。

日本と台湾でお互いのシーンが興味を持ったこと、それに関わった多くの方の尽力あってこそ起こったムーブメントでした。

むしろ洪申豪自身は助成金のシステムがDIYシーンのエコシステムを破壊すると警鐘を鳴らし一切関わらない立場を貫いたので、当時そのスタンスが故に異端視されることもありました。

そのくらい彼らは特別で、彼らの台湾のインディーズのバンドとして前例のない海外での活躍に対して業界内で驚きと戸惑いがあったという事なのかなと思います。

それぞれのDIYの集大成「PAR store」と「大浪漫商店」

2015年以降、自分は台北の月見ル君想フを中心により多くの台湾アーティストの仕事に関わる様になっていき、彼と以前の様に頻繁に会うことはなくなっていきます。

それでも、たまに日本へのツアーを企画したり、その後自分がレーベルを立ち上げてからも、彼とはいくつかソロやバンドの作品を一緒に作ったりしています。

詩集も作りました

そして2018年、彼はついに台北の赤峰街という場所で今までのDIY活動の集大成となる念願のセレクトショップ「PAR store」をオープンし、今や台北でも随一のカルチャースポットとして国内外で度々メディアにも取り上げられる有名店となりました。

PAR store

以前は日本人のお客さんも多かったので現在は(2021年5月現在)コロナで大変そうですが、頑張ってます。

そして新型コロナが人々の生活をいっぺんさせたのちに少し遅れて自分も大浪漫商店(BIG ROMANTIC STORE)というレーベルショップを立ち上げました。

基本的には自分のレーベルの商品だけ取り扱うことにしているのですが、PAR storeの商品はそれはもう特別な思いで取り扱いさせてもらっています。

VOOID Record

これを読んでPAR storeに興味を持たれた方も、台北に実際に行くのはしばらく難しいでしょうから、まずは是非、大浪漫商店を訪れていただきたいです。

DIYマインドの部分はほとんど同じだと思っていますから。

前編はこちら

 

透明雑誌オフィシャル(JAPAN)
https://twitter.com/touming_tour

BIG ROMANTIC ENTERTAINMENT
(大浪漫娛樂集團)

(label)
BIG ROMANTIC RECORDS / 大浪漫唱片
http://www.bigromanticrecords.com/

(music venue)
MOONROMANTIC AOYAMA / 青山月見ル君想フ
http://www.moonromantic.com/

(booking office)
ROMANTIC OFFICE / 浪漫的工作室
https://www.facebook.com/romanticoffice/

(music venue & restaurant)
MOONROMANTIC TAIPEI / 台北月見ル君想フ
https://www.moonromantictw.com/

  • この記事を書いた人

寺尾ブッダ

BIG ROMANTIC ENTERTAINMENT代表。 東京青山、台北のライヴハウス〈月見ル君想フ〉を運営し、日中台間のライヴの企画・サポートのほか、音楽レーベル『BIG ROMANTIC RECORDS』を運営し、日本、台湾でのプロモーター業、WEBサイト上でアジアの音楽・文化情報を発信。 2020年7月には下北沢にオープンした「大浪漫商店」は、レーベルグッズの展示販売の他に、台湾ソウルフード「魯肉飯」専門スタンドとして営業。台湾のインディーズカルチャーを最新の衣食酒と共に紹介している。

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