コラム

青木由香さんに聞く。迪化街の今と次回旅行のオススメ紹介 前編

台湾でコーディネーターや作家として活躍しつつ、日本と台湾の良いものを紹介するショップ你好我好(ニーハオ ウォーハオ)の店主でもある青木由香さん。

青木由香さん

青木さんの数多くの発信は、独特の視線と語り口で、何とも魅力的。引き込まれてしまった経験を持つ方も多いのでは?

台湾好きなら知らない人はいないであろう青木由香さんに、今回紹介をお願いしたのは、日本人が自由に台湾に行けなくなった後の迪化街(ディファジエ)の現状と旅行可能になったら訪れてほしいところたち。

青木さんの明かす意外な事実に驚きつつも、やはりまた行きたいなという思いが強くなるのでした。

ーー

私の店のある迪化街は、古い建物が残るエリアです。
台湾でも廃れることなく、使われ続けてきた古い町にしては珍しく、生きた老街(ラオジエ/オールドストリート)と言えます。

迪化街まちなみ

布市場にお寺、漢方薬剤や乾物を売る店の隙間にカフェや雑貨屋やクラフトビール屋も開き始めている。昔ながらの商売に今どきの店が入り乱れ、ここ数年、観光客がど〜んと増えました。

 

布市場と廟

そんな迪化街もコロナ鎖国のせいで、海外からのお客さんはゼロ。

ですが、台湾は、コロナ押さえ込みに成功していたので、逆に海外に出ない台湾人が増え、客足はちょっと少なくなったかな?(青木目測)という程度。

立派な建物

あの辺で代々商売をやっている人は、そうは見えないけど、実はみんなお金持ち。

売り上げが落ちても、店も自分の持ち物件なので家賃も要らないし、家族経営で身内以外の雇用がないし、いつもと変わらずお茶の間にいるような気分でだら〜っと店番しています。(迪化街にきたことある方なら、あのサンダルで短パン、すっぴんのおばちゃんとが店の商品の乾物をつまみながら、ぼけっと通りを眺めているのが目に浮かぶはず…)

 

你好我好ストア

今はなき1号店。歴史ある街や店のなかに、日本人が変な名前の看板を掲げて開いた店。 店名の你好我好とは、「你好=ニーハオ:こんにちは」ではなく、你=you 好=good 我=me 好=good という意味。

さて、うちの店は、というとコロナの影響をうけて完全アウト。
すぐに日本むけオンラインストアに切り替え、この一年半、いろいろやってギリギリなんとか。
注文していただいたお客さんのおかげでなんとか生きていけてます。
感謝です!

你好我好店内

2020年にコロナウィルスがで始めた時にオープンした新店舗。閑古鳥が泣いていますが、持ちこたえ中。

そして、コロナ押さえ込みに成功していた台湾も、この5月に感染者数急増。
台北市内は飲食店での店内飲食禁止となり、飲食店のデリバリー戦争が始まったのですが、迪化街の小吃店、これまた慌てず騒がず。
あっさりお休みに。
リラックスウェアで、半分外みたいな店で家族経営だから、稼げなくても出て行くものもない。

迷いもなく命優先できる背景が羨ましく映りました。

バリケード

あまり変化はないとはいえ、6月になると迪化街でもコロナ感染者が出たことをうけ、日頃は開放的なお茶の間のような乾物屋も店内に人が入って来られないよう、棚でバリケードを作る店もチラホラ。 バリケードに使っている棚は、いつもはアーケードに出しているものなので、通りがやけに歩行しやすくなりました。が、なんだか営業してない店のようにも見えます笑。

 

他に迪化街でコロナの話というと、里長(リーヂャン・隣組組長と村長の中間ぐらいの、うっすら行政的な働きもする、選挙で選ぶエリア長)が、ちょいちょい次期の選挙も意識して動くんですが、今回は、里の予算で雇った、タンク持って漂白剤みたいなのを撒く消毒おじさんに同行しています。

「これ、俺が手配したの」とばかりにタンクおじさんの後ろをくっついて歩いていく。

ブーっと薬撒く音が聞こえるとうちのアシスタントは、「また里長が来た。あんなの効かねぇ」と言ってます。

果たしてコロナにも投票にも影響するのでしょうか〜?

 

後編へつづく
後編は旅行できるようになったらおすすめしたい迪化街のアレコレについて。

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青木 由香

神奈川県生まれ台湾在住。日台のメディアに執筆やコーディネートを通して台湾を紹介している。台湾関係の著書も多数あり。『你好我好』店主。独自の目線と語り口の奥には台湾への深い愛情が感じられる。

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