エッセイストであり暮らしや旅にまつわる著書を多数執筆している柳沢小実さん。著書『わたしのすきな台北案内』を読んだことがある方も多いのでは?
台湾に温かなまなざしを向ける柳沢さんに、東京で楽しめるオススメの台湾のお店を紹介していただく連載コラム。
第2回は台湾の朝ごはん文化を楽しむことができる「東京豆漿生活」(トウキョウトウジャンセイカツ)。
何を食べようか迷うほどのメニューがあるという「東京豆漿生活」。柳沢さんの目をとおして美味しい台湾朝ごはんと素敵な空間を擬似体験してみてください。
台湾での口福時間を東京でも
台湾の食はどれも美味しく、一日中食べてばかり。いつも、食べたいものリストは書ききれないほどぎっちぎち。
ごはんはもちろん、おやつも欠かさないため、訪れるたびにしっかり体重を増やして帰ることになります。
その中でも、楽しみにしているのが朝ごはん、特に作りたての豆漿で、それを目指して早起きしています。
そんな台湾の朝ごはん文化を楽しめるお店が、東京にもあります。
JR山手線五反田駅から徒歩5分の「東京豆漿生活(トウキョウドウジャンセイカツ)」は、神田にある人気店「東京豆花工房」が営むお店。
台湾の朝ごはん文化を日本に広めるべく、2019年にオープンしました。
住宅地の間をてくてく歩いていき、路地を曲がるとひょっこり台湾があらわれる。
あたたかな光がさんさんとふり注ぐ店内は台湾のラジオが流れ、まるで台湾にいるようなゆったりとした幸福感に包まれています。
近隣に住む方や近くで働く会社員をはじめ、噂を聞いて遠方からわざわざ来る人も、次々と訪れる店。
豆漿(豆乳)や肉鬆までもが自家製のこだわり
豆乳を製造する大きな機械がお店の一角に置かれて、キッチンは早朝からフル回転。
なぜって、こちらは朝9時からオープンしているのです。朝ごはんのお店が朝から開いているって、当たり前のようで日本ではなかなかないことなので、なおさらありがたいお店です。
そして驚くことに、訪れるたびにメニューの数が増えています。
豆漿をはじめとして、ボリューム満点の飯糰(台湾おにぎり)や、挟む具材を自由にチョイスできる焼餅など、より多彩な台湾の朝ごはんメニューが楽しめるようになりました。
そのため、どれを食べるか迷ってしまうこと必至です。
私もこちらに来るといつも、こんなに食べられるの⁉ という量を頼んで、さらに数品テイクアウトもしています。
サイズも味も本場をとことん追求した飯糰は、口に含むと肉の旨みがじわっと広がる手づくりの肉鬆(肉でんぶ)が味の要。
肉鬆はわざわざ台湾から専用機械を輸入して、日本で自家製造するほどのこだわりようで、惜しまずたっぷりと詰め込んでいるのだとか。
また、飯糰はもち米のおにぎりなので、満足感がけた違い。体がキレイになる朝ごはんをしっかり食べると、一日中パワーが持続します。
あったらいいなを形にした台湾空間
オーナーである田邊さんのお店づくりはいつも、ご自分が思う「あったらいいな」が出発点で、開店前から行列ができる人気店になっても変わらず朝早くからお店に立っています。
私は飲食店では人とキッチンをまず見ますが、それは食べものを通じてお店と信頼関係を結ぶことだから。
誠実なお店にはいいスタッフが集まり、素敵なお客さんで賑わい、良い循環が生まれます。
清潔な店内と、きびきび働くスタッフ、そして美味しさを追求するためのたゆみない努力が、このお店をありそうでない一軒にしています。
嬉しいことに、通販もありますよ。鹹豆漿(豆乳スープ)のセットと、肉鬆はプレーンと海苔味の二種。
そして台湾リピーターが偏愛する台湾菓子・ピーナッツが香る花生酥(ピーナッツ菓子)と、牛軋糖(ヌガー)まで!
さらには小学生のお子さんにおやつに食べさせたくて、台湾ではおなじみの屋台スイーツ「地瓜球(揚げさつまいもボール)」のお店も夏頃にオープン予定だそう。これは、期待しちゃいますね。
一歩ずつ、着実に。これからの展開が楽しみでなりません。
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店舗等情報
東京豆漿生活(トウキョウトウジャンセイカツ)
住所:東京都品川区西五反田1丁目20−3
営業時間:9:00〜15:00(売り切れ次第終了)
定休日:日曜日
ネットショップ:https://store.tokyomamehana.com/
Instagram:https://www.instagram.com/tokyomamehana/
※営業時間、定休日については変更になる可能性もございます。お出かけ前にSNSなどをご確認の上お出かけください。
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