春節(旧正月)の次の満月の日、中華圏のお正月の締めくくりとなるのが元宵節(ユェンシャオジエ)。
2021年は2月26日がその日にあたります。
台湾でも、ランタンを飛ばしたり、蜂炮(ロケット花火)を飛ばしたり、と、中華圏らしいにぎやかなお祭りが各地で行われるようですね。
そして、この元宵節に欠かせないのが、台湾では湯圓と呼ばれる白玉団子。
中に餡が入った団子を、温かいスープにいれていただきます。
餡の中身は、あずきやピーナッツ、ごまなどの甘いものもあれば、塩味の肉餡のものもあり、おやつとしても食事としても楽しめます。
ところで、湯圓とは別に、「元宵 」と呼ばれる、見た目も中身もそっくりな食べ物が、中華圏にはあります。
名前からもわかるように、この元宵節の時期に食べられるなのですが、その違いが興味深いので、ご紹介してみようと思います。
【湯圓】(タンユェン)
日本でいう白玉団子の生地で、餡を包んで茹でたもの。
これは想像しやすいと思います。もち米を挽いた粉と水、もしくは、水に浸したあと石臼で挽いたもの(既に水を含んでいるのでしっとりしています)をこねて、ねばりのある生地にし、丸めた餡を包んでいきます。
中国南方、台湾ではこのタイプが主流です。見た目も、口に含んだ感じも、もちもちツルンとしているのが特徴。
【元宵】(ユェンシァオ)
丸めた餡に、もち米粉をまぶしながら雪だるまのように大きくして茹でたもの。
もとは中国北部から伝わったというこちらは、なかなかユニークな作り方。
丸めた餡を、乾いた米粉の中に転がし、全体に薄く米粉をまとわせてから、表面を湿らせ、さらに乾いた米粉をまぶす…というのを何度も繰り返し、徐々に大きくしていきます。
生地をこねないからか、粘りは少なく、歯切れの良い感じ。表面もなめらかにはならず、ややいびつな、ボコボコした形に仕上がります。
中国南部と北部では、米粉の作り方からして違うそうで、水に浸した米を挽く南部に対して、北部では乾いた米を直接粉にするそうなのですが、そういった背景がこの違いを生んだのでしょうか。
今回は両者全くおなじもち米粉を使ったのですが、それでも仕上がりが全く違ったのも面白いところです。
現在では、湯圓も元宵も混同されることが少なくないようで、台湾でも、手軽な湯圓を見かけることのほうが多い印象なのですが、もし現地で両方見かけることがあったら、食べ比べてみるのも良いかもしれません。
はなうた食堂調理室でも、いつか作り比べレッスンをしてみたいなと思います。その時はぜひ一緒につくりましょう!
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私も思い返すと在台時、元宵節に食べていたのは湯圓でした…。
元宵…どんな食感か気になりますね。現地で、あるいは、はなうたさんの料理教室でぜひ食べ比べてみたいものです!
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