想像できない!?米苔目とは
米苔目 (ミータイムゥ/mi3tai2mu4)をご存じでしょうか?
一言でいうと、米から作った麺なのですが、塩味のスープにいれて食事にすることもあれば、甘いシロップや氷と一緒にスイーツとしていただくこともある…という不思議な存在。
私が米苔目を初めて食べたのは、台東の街中、「榕樹下米苔目」(ロンシュシャーミータイムゥ)という地元でも人気のお店でした。
このお店で出されているのは、食事タイプの米苔目で、トッピングに鰹節がかかっているのが印象的。
まだ2回めくらいの訪台だったので、台湾にも鰹節があるんだ!と驚いたことを覚えています。
この段階では、鰹節の印象のほうが圧倒的に強かったのですが、その後、この麺が実はスイーツにもなるということを知り、俄然興味深い存在となりました。
だいたい、麺なのに、名前に麺という文字が入っていない。漢字だけではなんのことだかさっぱりわかりません。
ユニーク。そしておいしい米苔目
この麺は、作り方もユニークです。
すりつぶした米、もしくは米粉とタピオカ粉などを水(またはお湯)で練って、細めのうどんくらいになるよう、小さな穴がたくさん空いた板状のものを通しながらお湯に絞り入れて茹であげます。
調べてみると、「苔/タイ」というのは、ザルを意味する台湾語の音。
米粉生地を「ザル」の「目」を通して作る、というのが名前の由来のようです。
日本で麺というと、うどんやそばのように薄く伸ばしてから包丁で切るもの、あるいは素麺のように細く伸ばしていくものがメジャーですが、 米苔目は押し出し式、ところてんの作り方に近いと言えそうです。
ところてんもまたいろいろな味付けでいただく、例えば三杯酢だったり黒蜜だったり……という点でも少し似ていますね。
ちょうどいい穴のあいた道具が用意できるかどうかが問題ですが、それ以外は案外難しくなさそう…ということで、作ってみました。
穴あきお玉などを使ってみたのですが。なめらかな麺状に押し出すのは少しコツがいりそうですね。でも、味わいはまさに米苔目。
小麦の麺ほど重たくないので、小腹が空いたときに少しいただくのにも良い感じです。
押し出す、という作業もなかなか楽しい。
食文化の共通項
ところで最近、趣味でインド料理のレッスンに時々参加しているのですが、実は南インドにも、この米苔目そっくりのものがあることを知りびっくりしました。
そっくりというか、材料も作り方もほぼ同じです。ただ、インド版は蒸して仕上げます。
インド版は、ヌーラッパム又はイディアッパムというそうで、朝ごはんの定番だとか。
専用の道具もあります。
中に生地を詰め、ハンドルをぐるぐるまわすと、押し出された生地が下から出てきます。
これがあると、米苔目も簡単にできそう。
インド版は、もちろんカレーとともにいただきます。
お箸のない国で、麺状になったこの食べ物をどうやって口に運ぶのか?残念ながら聞きそびれてしまいましたが、アジアにつながる地域で、似たような食文化があるというのはとても興味深いことです。
日本〜台湾の、鰹節という共通項。
台湾〜インドの、米粉押出麺という共通項。
大好きな台湾を知ることで、より広い世界が見えてくることもまた嬉しいことだなあと思います。
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