台湾旅行に限らず、海外旅行に行く際は何かしらの形で海外旅行傷害保険に加入することを強くすすめるようになった筆者。
それは娘が思わぬ形で台湾の夜間診療を受けることになった体験が大きく影響しています。
前回の受診までの手順に引き続き、今回は実際にどうのように受診したかとクレジット付帯型の海外旅行傷害保険の注意点をまとめていきます。
臺安医院(臺安ホスピタル)の受診の手順
まずは受付へ向かう
タクシーを降りてすぐに院内へ小走り。
病院内はほぼ照明が落ちていて薄暗い状態。
警備担当のおじさんと目があうと「あっちだよ」と目線で教えてくれたので見てみると端の方に明るい受付がありました。
受付前には「病状を専用ブースで看護師に見てもらってから受付してください」と中国語書かれていました。
(緊急度のランクを決めるためらしいです)
私たちは外国人なので、いきなり看護師さんのところに行くよりひとまず事情を伝えようと受付に向かいました。
受付の方に保険会社から連絡が来てると思うこと、と名字(UENO)を中国語で伝えました。
そして一緒に保険証書を提出。カルテをつくるための書類も書いた気がしますが私もあわてていたのでうろ覚え。
どのタイミングでパスポートを出したか、どの書類に記入したかちょっと忘れてます…。
看護師の事前診察へ
受付に書類を出して、次は隣の看護師さんブースに向かいました。
ここでは娘の診療に関する資料を作ります。事前診察というべきでしょうか。
幼児だったからか「何週で生まれましたか?40週?」「帝王切開ですか、自然分娩ですか?」「体重は?」などとこちらが予想していた以外の質問もあり。
そのあといつから、どんな風に状況が変化しているのか、原因と思われることなどについてわたしから説明。
もちろん、これも全部中国語でのやりとり。
よその国で英語や現地語でのやり取りだったら無理だったろうな…と思いながら会話を進めました。
質問に答えて終ると、お医者ブースへの移動を促されました。
看護師さんの診察は、基本的にはやはり治療の優先順位をつけるためのスペースのようで、病状に直接のコメントはありませんでした。
お医者さんの診療へ
この日は、時間帯もあってか患者さんも少なかったのですぐに順番がやってきました。
お医者さんにも状況説明。
その後診察と治療、所見などを述べてくれます。
基本は聞き取れましたが、聞き取れない言葉に「?」という顔をすると、それをすぐに読み取ってくれ漢字を書いて説明してくれました。
「脱臼」とのことでした。
骨が折れていなくてよかった!抜けた手首はお医者さんが数秒で入れなおしてくれました。
「30分位様子を見ましょう。受付にこの書類出して、待合のスペースで様子を見てね。念のため痛み止めも出しましょう。」
そういわれて待合コーナーで待っていると、たくさんのシールを持ったお医者さん再登場。
その頃には娘も落ち着いていて、泣き止んでいました。
娘が好きなシールを選ばせながら様子を確認して、「これなら大丈夫ですね。戻ってからまた痛みがぶり返したら薬を飲ませてください」と爽やかに去っていきました。
ここでようやくホッと一息。
保険に入っていてよかった。娘が大したことなくてよかった。中国語ができて良かった。
全身の力が抜けるのを感じたことを覚えています。
保険関係の処理と薬の受取り
その後、受付に呼ばれて診療を受けたことを保険会社に申告する書類を書きました。
このときホテルの住所を控えてきていなかったので調べるのに手間取ってしまいました。
診察を受けるときは滞在先住所なども準備しておいた方がよさそうです。
このとき処方箋をいただき、院内の薬局へ。痛み止めのお薬が出されました。
その後はタクシーでホテルに戻り、お薬も飲まずに済み、何事もなく旅行を続け帰国できました。
タクシー代も請求できるとのことでレシートをとっておいたのですが、少額だからいいかな、と面倒になりこちらは申請しませんでした。
治療にかかった費用は約3万8千円!
この時夜間救急診療を受けたもろもろは、たしか3万円8千円程度かかっていました。
病院にもよるかもしれません。夜間診療の割り増しがあるとも思われます。
でも旅行中に支払うことを考えると決して気軽に払える金額ではないと思います。
※インターネット旅行保険では過去数年間(規定あり)に5万円以上の保険請求をしていると申し込みができないそうです。
台湾に行く用事ができて、なおかつ娘はクレジットカードの付帯保険適用外だったので、念のため問い合わせて確認したところ出てきた数字でした。
比較的軽い症状でも、こんなにお金がかかること知り、これが仮に事故などで入院が伴っていたらと考えると・・・背筋が寒くなりました。
クレジットカード付帯型の海外旅行保険はここを事前チェック!
海外旅行時に付帯される条件は?
現在多くのクレジットカードに「海外旅行傷害保険」が付帯されていることは広く知られています。
治安がいい台湾ならクレカの付帯型保険で十分、そう思う方も多いと思います。
では、どうやったら旅行保険が付帯されるかは毎回チェックしていますか?
持っているだけで自動付帯されるもの、航空券や空港に向かうまでの公共の交通機関利用などが条件となるもの、カード会社やそのランクによってによって条件は異なります。
そしてこの条件、実はひっそりと変わっているかもしれません。
現に、楽天カードでは2020年10月1日から「募集型企画旅行」の旅行料金を出発前に楽天カードで支払いした場合のみ保険が有効になると条件を変更しています。
簡単にまとめると旅行社の企画した旅行に申し込み、その際楽天カードでの支払いをした場合のみ「保険が有効」となったわけです。
航空券や公共の交通機関の利用時の支払いでは保険が有効にならない。私にとっては大きな衝撃でした。
他のカードでも改定もありえますので、「実は保険が有効になっていなかった!」などという事態をさけるためにも規約の確認は毎回行うようにしましょう。
カード保険の適用範囲は?家族には適用される?
こちらもカード会社やカードのグレードによって大きな差があります。
家族カードを持っていても場合によっては適用外となる場合もありますし、一般的なグレードのカードだと子どもはそもそも除外されていることも多いです。
逆に年会費のかかるグレードの高いとされるカードは、持っているだけで子どもを含む家族分の海外旅行傷害保険が適用されることもあるそうで、これも旅行前、あるいはカード申し込み時によく調べてみることがおすすめです。
良く海外旅行に出かけてそのたびに海外旅行保険に入るというご家族は、もしかしたら年会費が発生してもグレードの高いカードを持っていた方が実はお得ということもあり得そうです。
さらに現在はクレジットカード保険の補償では足りないと感じる部分だけ保険に入ることができ賢く安心をプラスできる商品も登場しているので、クレカの旅行保険だけでは不安な方は調べてみるといいでしょう。
キャッシュレスか?サポートはあるか?
先ほど説明した通り、海外での医療費は意外と高額。
後で保険でもどってくるからといって、例えば旅行先で数十万円をいったん支払わなくてはならないとなったら大変ですよね。
私の娘のケースのように、支払いが数万円ですんでも、お土産代やレジャー代がひっ迫されるかもしれません。
いざというとき、キャッシュレスであることは実は大きな安心感につながります。
クレジットカードの保険がキャッシュレス対応か、またいざというときにどうやったらキャッシュレス扱いになるのか、ざっくりとでもいいので確認しておくと安心ですね。
安心、という意味では日本語でやり取りができるサポートがあるかどうかも、いざというとき大きなポイントになってくるのでチェックしてみてください。
キャッシュレスか、サポートがあるかは、一般の海外旅行保険加入時にも確認すべき大きなポイントだと考えます。
まとめ・保険は旅のお守り
私はこのとき、7年住んでいた勝手知ったる台湾で、過去に行ったことのある病院に行きました。
中国語も使えたのでコミュニケーションもスムーズだったと思います。
でもこれが仮にタイだったら?アメリカだったら?
言葉ができないことへの強い不安や焦りは容易に想像できます。
もちろん保険に入っていなくても(状況によっては断られることもあるかもしれませんが)病院にはいけます。
自費診療だって可能です。
ただし、高額の医療費が発生するケースがあることを忘れてはいけないと思います。
そして何かあった時、言葉や費用や処置などに不安を抱えながら安心できる病院を探すことができるでしょうか。
保険会社と契約している病院は、現地の病院事情から見てもしっかりしたところです。
日中ならしっかりした通訳がついてくれるところもあります。
経験として保険会社をとおしての受信は、とても心強く、安心感があることがわかりました。
海外に行くならどんなに慣れてても、やっぱり何らかの形での旅行保険加入を強くオススメします。
数千円も出せば買える心強い旅のお守り。お持ちのクレジットカードの旅行保険と合わせてしっかり調べて検討して「いざ、台湾」してください!
※この文章はうえののブログ「台湾とあくしゅ」の記事に加筆、一部変更を加えて作成しました。