昨年夏、4年ぶりに訪れた台湾で見かけた「西西里咖啡」の文字。
「咖啡」はコーヒーなのですが、西西里(中国語読みだとシーシーリ)が何を意味するのかさっぱりわからず、店員さんにどんな飲み物なのか訪ねてみたところ、レモンのコーヒーだと言います。
コーヒーにレモンというと、少し意外な気がする方も多いでしょうか。
台湾では時々みかける組み合わせで、はなうたは大のお気に入り。
もう何年も前に口にした、青レモンのスライスに挽いたコーヒー豆とザラメ糖をトッピングしたデザートは、家でも何度も真似してるくらいなのですが、飲み物として組み合わせるとどうなのかしら。
コーヒーの苦味にレモンの酸っぱさというのがピンとこず、そのときはオーダーしそびれてしまいました。
その後もゆく先々で「西西里咖啡」を見かけます。
西西里の意味を調べてみたところ、なんと「シチリア」に漢字を当てはめたもの。
なるほど、イタリア・シチリア島のシチリアレモンから来たネーミングなのですね。
さらに調べてみると、イタリアにはエスプレッソにレモンを効かせる飲み方があるということもわかりました。
おそらくそのイタリア式アレンジが台湾に入ってきて受け入れられたのでしょう。
濃厚なエスプレッソにレモンというのがますますイメージがわきませんが、断然興味が強まります。
しかし結局飲む機会は得られないままに迎えた最終日、台北の桃園国際空港のファーストフード店に、西西里咖啡のポスターが掲げられているのを発見!
最後の最後にようやくいただくことができました。
実はその前に別の店でドリンクを飲んでいて、お腹がチャポチャポだったのですが、ここは頑張るしかありません。
台湾式にアレンジされたレモンコーヒーは、エスプレッソではなくアイスコーヒーベース。
見た目は普通のアイスコーヒーと変わりませんが、台湾人好みの浅煎りコーヒーをしっかり甘くし、そこにレモンの酸味と香りが加わることで、なんとも爽やかな夏の飲み物になっています。
苦味、酸味、甘みの見事なバランスは、なぜもっと早くに飲まなかったんだー!!と少し後悔するくらいの美味しさ。
ファーストフード店のものでも美味しいのですから、コーヒーに力を入れている店ならきっともっと楽しめるはずです。
ちなみに、サードウェーブと呼ばれるコーヒーブームが盛り上がっているのは、台湾でも同じ。
こだわりのコーヒーを出すお店は近年ぐっと増えました。
コーヒー豆の生産にも力が入れられているようで、台湾茶のように産地ごとの違いを飲み比べる楽しみも生まれています。
全般に浅煎りのコーヒーが好まれているようで、そういった、いわば「味覚のお国柄」もまた興味深いポイントです。
台湾旅行の予定のある方は、台湾茶だけではなく、コーヒーもぜひ試してみてくださいね。
ちなみに上の写真は、嘉義にあるコーヒー専門店でいただいたレモンタルト。
トッピングにはここでも青レモンに砂糖、コーヒー豆。やはりこの組み合わせは最高!と思いました。
タルトもとても香り高くて印象的。少し青い香りのある台湾のレモンというのがポイントかもしれません。
ーー